アスベスト定性分析

JIS A11481-1の利点について

当社ではアスベスト分析方法として、JIS A1481-1(以下、T法)を用いております。この方法は偏光顕微鏡を用い、人の目でアスベストの有無及び種類を定性的に判別する方法で、経験を積んだ技術者による判定が重要となります。これまで国内におけるアスベストの分析方法はJIS A1481-2(以下、U法)が主流でした。この方法は試料を均一化したものを分取し、]線回折及び位相差・分散顕微鏡により測定する方法です。設備にお金は掛かりますが、前処理及び操作方法に問題がなければ分析者による技術差が比較的生じにくい方法と言えます。

T法は一見アナログで、時代に逆行しているように感じられる方もいらっしゃるかも知れません。しかし近年ではやはり人の目による判定に信頼性が高い面があること、また諸外国においてU法が国際規格に採用されていないことから、国内でもT法対応のニーズが高まる傾向にあります。

さらにT法の最も重要なメリットが「試料を層別(種類別)に分析できる」ということです。前述のように、U法では試料を均等に混ぜたものを測定するため、1検体の結果は「全体としての有無」となって表記されます。しかしT法は試料が複数構造になっていることが顕微鏡で確認できるため、どの部分にアスベストがあるのかを検出し、結果に反映させることができるのです。

以前は対象となっていませんでしたが、平成29年より仕上塗材もアスベスト調査対象となりました。特にこれらは層別で結果を得ることにより、アスベストの含有している層のみを明らかにし、必要な層のみを対象とした除去工事計画を策定することができます。塗材の状況によっては除去コストの大幅削減が可能となることもあります。

もちろんU法に全くメリットがないわけではありません。先程述べた分析者による技術差が生じにくいことのほか、試料の状態によっては]線回折の方が識別しやすいものも稀に存在します。当社は]線回折装置も所有しており、U法対応も可能となっております。T法を主軸としつつ、状況によってU法による測定にも対応し、確実な分析結果を提供させて頂きます。